堤防釣り・初めてレクチャー |
<朝5時の沢根漁港 堤防の魅力は何といっても、手軽さと、魚影の濃さでしょう。 確かに、人工的な画一さは変化を乏しくし、自然相手のスポーツにしては物足りなさを感じることもあるかもしれません。 しかし、いつでも誰もが安全に海釣りを楽しめるポイントとして欠くことの出来ない地位を築いています。 ここではその楽しみ方を紹介します。 |
準備 | 釣りはレジヤーである反面、競技志向が強く、そこに名人も生まれます。つまり、目指す魚種により、合理的な釣り方が確立されているのです。 例えば、アジのサビキ釣り。クロダイのウキ釣り、あるいは、根魚狙いのぶっ込み釣り等、それらは道具も違えば、釣り方も違う、さらに楽しみ方まで違ってきます。 初めて堤防に足を踏み入れるフアミリーが何を釣りたいのか決めるのも無理がありますし、一通り買うわけにもいきません。しかも、それっきりでゴミになるかも知れない釣り道具ですからなるべく安く上げたいものです。 多くは、竿、リール、仕掛けが揃ったセツト物を求めます。悪くはありませんが、気を付けたい点が幾つかあります。そこから始めましょう |
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結び | 道糸と針を結んでいる糸(ハリス)を結ばなくてはなりません。 下はサルカンという連結具を使っています。サビキにも、投げ専用仕掛けにも付属されているので、ウキ釣りの場合だけ購入して下さい。 この結び方はリールの糸巻き時にも使える、使用頻度の高いものです。 |
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リ-ルの使用方法 | 最も一般的なリールがスピニングリールでしょう。セツト物にもこのリールが入っています。 扱いには馴れが必要ですが、小さな子供でも直ぐに覚えるので心配いりません。 糸が巻いてあるところをスプール、その周りを回る細いバーをベール、ボデイの後ろにあるボタンをオン、オフボタンと言います。 まず、ボタンをオンにします。左右、上下どちらかに動かして、ハンドルが一方向にだけ回るようにします。次に、竿のリールシートにリールを取り付け、ベールを手でカチツと音がするところまで倒します。ハンドルがスムーズに回る方が倒してない状態です。糸をスプールから竿の穂先に向けて引き出し、全部のガイドに通し、手元まできたら倒したベールを戻します。 仕掛けを作り終えたら、リールを下に、竿のリールシートの裏側から左の手の平を当 て、中指と薬指の間でリールの足をを挟むようにして、竿を握ります。
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その他の用具 | まず、釣った魚の入れ物でしょう。 釣れるかどうか不安なら、ビニール袋一つでも事、足ります。 サビキ釣り等、コマセを使うのであれば、コマセバケツと杓は欲しいところです。プラスチツクの蓋付きバケツが600円前後、杓は150円からあります。 他に、ハサミは必需品。あると便利なのが魚が鈎を飲み込んだ時に使う鈎抜き。 夜釣りならライトをお忘れなく。 そして重要なのが仕掛けの予備。 サビキは海底を探る釣りではないので根がかりは少ないのですが、下のオモリが引っ掛かることがあります。無理に引っ張ると、仕掛けごと切れてしまったり、鈎が多い分、絡むこともあるので、一セツト余分に用意しておきましょう。 サビキが300円前後、オモリ付きのコマセかごが120円ほどです。 ウキ釣りのウキ、鈎も同様です。投げ、ぶっ込みは根がかりを覚悟しなくてはなりません。砂浜が主の投げはまだしも、ぶっ込みは宿命です。そのつもりで用意して下さい。 |
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実践 | サビキの真髄は「さびく」にあります。さびくとはしゃくるの意味。 コマセかごにコマセを入れたら、竿下の水面に勢い良く落とし、仕掛け部分が水中に入ったら、一度大きくしゃくります。これでかごの中のコマセはほとんど無くなるはずです。水中のコマセの幕の中から仕掛けが外れないようにしながら、魚を伺い、気配がなければもう一度しゃくって竿を上げ、コマセを入れ 直します。 アタリは手にブルブルっと来ます。直ぐ上げず、ちょっと間を置くと、2匹、3匹と余計にかかってくることがあります。釣った後も、初めと同じことを繰り返します。 ウキ釣りの楽しさは魚の微妙な食い気を目で追えることですが、それだけに魚に強い警戒心を引き起こさせることもあるようです。その場合の特効薬がコマセです。アミブロツク1Kあれば良いでしょう。 コマセは仕掛けに被せるように打ち、潮が早い時は、少し潮上に打ちます。 ウキ下を2m以上取りたい時は、より長い竿が必要です。3mで5m以上の竿が必要になるでしょう。誘導仕掛けを覚えると楽ですが、次回、クロダイ初めてレクチヤーで紹介します。 キスは海底の僅かなかけ上がり(段差)に群れることが多いようです。遠投したらゆっくり巻き上げ、若干、抵抗がかかったら、かけ上がりですから、しばらく止めて様子を見ます。それからまた巻き上げ、次のかけ上がりを探ります。 アタリはコツコツっときます。アタリの後、少しの間、それまでの動きを続けると二匹目が追い食いしてくることがあります。 ぶっ込みは、遠投し、待つ釣りです。アタリは穂先の動きで取るので、穂先に鈴を付けたり、夜ならケミホタルを付けたりしています。 根がかりは必至ですが、オモリが着低した後に決して糸を巻き上げないこと。投げたまま、放っておくことで、幾分防げるようです。 |
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マナー | 堤防に集まる釣り人の顔ぶれは多彩です。テレビに出て来そうな、百戦錬磨の名手。漁師のおじさんに、賑やかな子供達。そして初体験のフアミリー。 このフアミリーにとって、最大の難敵は隣の釣り人でしょう。 何本もの竿を転がすように並べたまま放ったらかしの人。竿の中には数万円もする物もあるので、歩くのにも気を使わねばなりません。そして、隣人との糸絡み。竿下を釣るだけのサビキでも絡むことはあります。 これらを防ぐ方法は一つ、近づかないこ と。 隣同士、お互い左右に竿を振ってぶつからない距離を取るのが理想です。が、人気の釣り場や、同じ堤防でも場所によって釣果に差が出る場合などはそうもいきません。しかも、十分距離を取っても、そこへ別の人が入って来るかも知れないのです。 竿が横に振れないような間へ入って行かねばならない時は、一言、「ここ、良いですか」と、声をかけましょう。その一言で、その場の空気はぐっと、あなた方に味方するはずです。それでも馴れた人で左右1mまでが限度。この場合、仕掛けが何処へ飛んでいくか分からない上手投げは禁物です。下から慎重に。 隣人の前に仕掛けを流すのも厳禁です。もし、無理にあなた方の間に入り込んで来る人がいたら、皆に注意を促し、様子を見ましょう。そういう人は大抵、直に他へ行ってしまいます。 周りの釣果を気にせず、まず釣りを始めましょう。隣や他ばかりに魚が釣れるようなら、そこで声をかけ、事情を話し、コツを聞くことです。 隣と糸が絡んでしまっても慌てないこと。相手のミスでもお互い様という気持ちで対応して下さい。馴れていないことを告げて相手に任せるのも良いですが、サビキなどは解いている間にピークが過ぎてしまうこともあるため、自分の方を切り、取りあえず解いてしまい、新しい仕掛けを結びましょう。 ゴミについては持ち帰るのが基本です。 小さなお子さんは歩き回らせないこと。皆、釣りに夢中です。生身の鈎が飛び交っていることをお忘れなく。 また、子供にはフローテイングベストは必要です。ただ、落水事故は大人も少なくありません。私は必ず着用しますし、ポケツトが小物入れになり便利です。 先に書いたように、高価な竿をその辺に放ったらかしの人がいるので、車の移動では注意して下さい。もちろん御自分の竿も。 |
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